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【第七回】表象の彼方へ :澁澤龍彥「画美人」の遠近法(跡上史郎)

◆発表者   跡上史郎 ◆発表題目  表象の彼方へ  ──澁澤龍彥「画美人」の遠近法── ◆発表要旨  大きな建造物が直線で構成されているように見せるためには、微妙な曲線をもってせねばならない。ある図像は斜めから見なければ正しくは見えず、またある図像は曲面鏡に反射させねば意味のある像を結ばない。真実を伝えるためには仮面を被らねばならず、嘘でもって唇を歪ませねばならない。私たちの認知機構そのものに系統的エラーが埋め込まれているのであれば、認識の逸脱が錯覚を生むのではなく、錯覚こそが私たちの認識の基底をなしているのだ。晩年の澁澤龍彥が依拠していた遠近法概念とは何か。コラージュから出発した澁澤龍彥がたどり着いたのは、どのような断片の組み合わせ術だったのか。現実と絵画が交錯する「画美人」(『文藝』1983・5) を例に考える。 ◆発表日時  2021年12月25日(土)、14:00~