投稿

1月, 2023の投稿を表示しています

【第一六回】遠藤周作と澁澤龍彦:マルキ・ド・サドの「現代性」を巡って(北田雄一)

◆発表者  北田雄一 ◆発表題目  遠藤周作と澁澤龍彦  ──マルキ・ド・サドの「現代性」を巡って── ◆発表要旨  本発表ではまず、遠藤周作がピエール・クロソウスキー『わが隣人サド』を読んで以来、サドへの関心を帰国後も持続させていたことを明らかにしたい。この点に関しては、死後発表された小説の草稿や近年発見されたサド研究のための渡仏中に書かれた日記を用いる。  次に澁澤龍彦はコクトー『大股びらき』の翻訳で文壇デビューし三島由紀夫の序文を得て『マルキ・ド・サド選集1』を出版して以降「サドの専門家」の地位を確立していく過程と並行して、遠藤が「白い人」で芥川賞受賞後も「マルキ・ド・サド評伝」などを執筆しつつ、澁澤の『サド選集』や『サド復活』の書評を発表していることへ目配りしつつ、澁澤は遠藤に対しては比較的冷淡だったことを明らかにする。  その後、澁澤と遠藤が直接顔を合わせた『サド裁判』に関して、両者の裁判に臨む態度の差異を明らかにし、特別弁護人遠藤周作が法廷で何を述べていたかという点を詳しく見ていきたい。  最後に、蛇足になるが、澁澤のサド観の相対化するために橋本到と『言葉と物』を発表する前のフーコーのサド論に言及しておきたい。 ◆発表日時  2023年2月18日(土)、14:00~   お申し込みは こちら (Googleフォーム)から。  返信は手動で行っておりますので、お申し込みは、開催日の2日前の23:59までに完了してください。他の方法もございます。当ホームページ「 参加するには 」をご参照ください。

【第一五回】ロラン・ヴィルヌーヴと澁澤龍彥(倉方健作)

  ◆発表者   倉方健作 ◆発表題目  ロラン・ヴィルヌーヴと澁澤龍彥 ◆発表要旨  ロラン・ヴィルヌーヴ(1902-2003)はフランスの著述家である。澁澤の蔵書には、ヴィルヌーヴの著作が15冊確認されている。初期の澁澤の著作には、ヴィルヌーヴの記述を踏襲し、大部分がその翻訳あるいは抄訳とみなせるものが少なくない。「狂帝ヘリオガバルス あるいはデカダンスの一考察」、「悪魔のエロトロギア 西欧美術史の背景」等の論考、『黒魔術の手帖』のジル・ド・レに関する数章がこれにあたる。また『毒薬の手帖』は全体がヴィルヌーヴの著作の抄訳であることが判明した。  それにも関わらず、論考の導入部に個人的な回想を用いたり、サドやジュネに関する関連事項の挿入、またさまざまな技巧によって、それらは一見するとオリジナルな著作といった外観を保っている。本発表では、ヴィルヌーヴの著作の利用の数例を確認しながら、澁澤の執筆に見られる特徴の一端を確認することを目的としたい。  ◆発表日時  2023年1月28日(土)、14:00~   お申し込みは こちら (Googleフォーム)から。  返信は手動で行っておりますので、お申し込みは、開催日の2日前の23:59までに完了してください。他の方法もございます。当ホームページ「 参加するには 」をご参照ください。