【第一五回】ロラン・ヴィルヌーヴと澁澤龍彥(倉方健作)

 ◆発表者
 
倉方健作

◆発表題目
 ロラン・ヴィルヌーヴと澁澤龍彥

◆発表要旨
 ロラン・ヴィルヌーヴ(1902-2003)はフランスの著述家である。澁澤の蔵書には、ヴィルヌーヴの著作が15冊確認されている。初期の澁澤の著作には、ヴィルヌーヴの記述を踏襲し、大部分がその翻訳あるいは抄訳とみなせるものが少なくない。「狂帝ヘリオガバルス あるいはデカダンスの一考察」、「悪魔のエロトロギア 西欧美術史の背景」等の論考、『黒魔術の手帖』のジル・ド・レに関する数章がこれにあたる。また『毒薬の手帖』は全体がヴィルヌーヴの著作の抄訳であることが判明した。
 それにも関わらず、論考の導入部に個人的な回想を用いたり、サドやジュネに関する関連事項の挿入、またさまざまな技巧によって、それらは一見するとオリジナルな著作といった外観を保っている。本発表では、ヴィルヌーヴの著作の利用の数例を確認しながら、澁澤の執筆に見られる特徴の一端を確認することを目的としたい。 

◆発表日時
 2023年1月28日(土)、14:00~
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