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【第二一回】『澁澤龍彥コレクション』全三巻とその時代(劉佳寧)

◆発表者  劉佳寧 ◆発表題目 『澁澤龍彥コレクション』全三巻とその時代 ◆発表要旨  『澁澤龍彥コレクション』全三巻(『夢のかたち』『オブジェを求めて』『天使から怪物まで』)は、1984年11月から翌年6月にかけて河出書房新社から刊行された、主に引用の断片によって構成された書物である。ギリシア・ローマの古典から現代諸国の文学作品まで、小説、詩から日記、エッセー、説話、コント、哲学書まで、領域を横断する浩瀚なコレクションだったというイメージが強い。巖谷國士の述べたように、この特異な書物は、「まさに引用と借用をエッセーや小説の大きな武器としてきた澁澤龍彥――しかも古今の好みの作家系列の発見と集成をこころみつづけてきた澁澤龍彥にしてはじめて可能になった、きわめて澁澤龍彥的な、稀有のコレクションを構成しているといってよいもの」(「解題」『澁澤龍彥翻訳全集』別巻1)なのである。 担当編集は当時河出書房新社に務めた詩人の平出隆(1950―)で、本シリーズの企画及び編集現場の詳細は二つのインタビュー「悠々と自分をひらく――物語からコレクションへ」と「胡桃の中と外」に綴られていた。だが、このシリーズを同時代の読者がどのように捉えたのか、従来の選集の形式がどのように『澁澤龍彥コレクション』に影響を与えたのかはまだ明らかにされていない。  本発表では、まず『澁澤龍彥コレクション』を同時代の選集に関する言説の中に位置付けたい。また、澁澤蔵書目録と照らし合わせながら、澁澤における「引用」「蒐集」の思考を踏まえて、『澁澤龍彥コレクション』はどのように編まれたのかについて考察する。 ◆発表日時  2023年9月23日(土)、15:30~  ご参加をご希望の方は9月21日(木)までに Googleフォーム よりお申し込みください。