【第六回】少女達は機械仕掛けの夢を見るか:澁澤龍彥「ねむり姫」論(浜地百恵)
◆発表者
浜地百恵
◆発表題目
少女達は機械仕掛けの夢を見るか
少女達は機械仕掛けの夢を見るか
─澁澤龍彥「ねむり姫」論
◆発表要旨
澁澤龍彥の短篇集『ねむり姫』より、表題作「ねむり姫」を扱います。
浅羽通明がねむり姫評の中で「この作品はやたら、女子高生に人気が高い」と指摘するように、本テクストは「澁澤乙女」と言われるいわゆるゴシックロリータ愛好家の少女達に特に愛読されており、澁澤エッセンスの濃縮された作品であると考えます。本稿でも「少女」を読者層と想定した時にどのような受容をなされるのかということを、舞台となる伊予と京都、そしてそれを接続する土地、紀伊の伝承について「珠名姫」を形成する言説を引用しつつ、「人形」という澁澤を語る上で外せない視点を従来の「独身者の機械」系譜のテクストとは別の方向へ読み替えたいと考えております。
◆発表日時
2021年11月6日(土)、14:00~