【第一三回】『唐草物語』における三つの位相(阿部菜々香)
◆発表者
阿部菜々香
阿部菜々香
◆発表題目
『唐草物語』における三つの位相
◆発表要旨
『唐草物語』は、評論・エッセイを主軸に執筆活動を行っていた澁澤龍彦にとって、およそ一七年ぶりに刊行された小説作品集であり、澁澤の執筆活動において転換点にあたるものとして一般に認識されている。
先行研究においてはその叙述方法が主な論点に挙げられ、そこでは小説的要素と評論的要素(またはエッセイ的要素)の二つから形成されているという見方で一致している。しかしながら、物語における叙述は「小説」「評論」「エッセイ」の三要素で構成されているものとして捉えることができ、それによって地の文に登場する「私」なる存在の性質も定式化され得る。
修士論文では、これまでの研究で混同されてきた「評論」と「エッセイ」を分けることで、『唐草物語』の叙述の機構を捉え直し、そのうえで『唐草物語』が作家・澁澤龍彦のイメージ形成を変化させる役割を担っていたとして論を展開する。
◆発表日時
2022年7月23日(土)、14:00~
『唐草物語』における三つの位相
◆発表要旨
『唐草物語』は、評論・エッセイを主軸に執筆活動を行っていた澁澤龍彦にとって、およそ一七年ぶりに刊行された小説作品集であり、澁澤の執筆活動において転換点にあたるものとして一般に認識されている。
先行研究においてはその叙述方法が主な論点に挙げられ、そこでは小説的要素と評論的要素(またはエッセイ的要素)の二つから形成されているという見方で一致している。しかしながら、物語における叙述は「小説」「評論」「エッセイ」の三要素で構成されているものとして捉えることができ、それによって地の文に登場する「私」なる存在の性質も定式化され得る。
修士論文では、これまでの研究で混同されてきた「評論」と「エッセイ」を分けることで、『唐草物語』の叙述の機構を捉え直し、そのうえで『唐草物語』が作家・澁澤龍彦のイメージ形成を変化させる役割を担っていたとして論を展開する。
◆発表日時
2022年7月23日(土)、14:00~