【第二五回】「孤伏澤つたゐ『兎島にて』をめぐって」(孤伏澤つたゐ)
◆講演者
孤伏澤つたゐ
◆講演で扱われる書籍
〈あらすじ/本の紹介〉
『兎島にて』
「龍を食ったぜ」。
ある日、兎が棲む島に流れ着いた虎は、そううそぶいて、旅の物語を語り始める。
かつて魔法使いと旅をしたおちいさいひとを祖にもつ友人や、蓮を見れば黒こげにしてしまう地獄犬、火山の火口からあらわれる黄金の大伽藍のごとき男――旅の仲間たちと赤道を目指して船出し、水族館、火山を経めぐって、自身のアンチポデスと名乗る龍と、虎は出会う。
ドラコニアのかけらを集めてコラージュした幻想小説。
2024年が辰年だったので作ろうと思い立った物語です。
澁澤作品では『高丘親王航海記』をメインに、『マドンナの真珠』『華やかな食物誌』『ねむり姫』『鳥と少女』他、『指輪物語』(J.R.R.トールキン著・瀬田貞二訳)『類推の山』(ルネ・ドーマル著・巖谷國士訳)『海と夕焼』(三島由紀夫)などの物語の要素を織り込みつつ、澁澤と交友関係のあった人々をモデルに、短い冒険物語を作りました。
◯参考文献(一部)
『龍彥親王航海記』礒崎純一・白水社
『紋章と時間: 諏訪哲史文学芸術論集』諏訪哲史・国書刊行会
『旅の仲間 澁澤龍彥・堀内誠一往復書簡』澁澤龍彥・堀内誠一 巖谷國士編・晶文社
『三島由紀夫と澁澤龍彥(三島由紀夫研究)』鼎書房
『澁澤龍彥との日々』澁澤龍子・白水社
『澁澤龍彥 ドラコニアの地平』世田谷文学館・平凡社
〈著者略歴〉
1987年9月5日生まれ。中学生の時、地元の書店で河出文庫版『黒魔術の手帖』を買い、現在まで澁澤龍彥の本を読みあさっている。
BL短歌誌『共有結晶vol.1~3』(2012年~2015年)に参加。2014年ころから個人で文学フリマなどを中心に、同人誌を作って頒布している。2018年『迎え火』で第2回Kino-Kuni文学賞大賞、2020年『首輪とロマンス』でpixiv百合文芸2佳作。2023年リトルプレス日々詩編集室から『ゆけ、この広い広い大通りを』を刊行。
幻想文学・ファンタジー小説を主に書きながら、地方(地元)で生きるひとびとの生きづらさや連帯についての物語も書いている。
2024年1月、『兎島にて』を私家版として刊行。澁澤龍彥が好き。
◆講演日時
2024年5月12日(日)、14:00~(日曜日の開催)
ご参加をご希望の方は、2024年5月10日(金)までに、Googleフォームよりお申し込みください(5月11日の午後12時までに返信がない場合、大変お手数をおかけいたしますが、再度のご連絡をお願いいたします)。