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8/24【第二七回】澁澤龍彥が語る怪異、および「護法」における身体と空間(安西晋二)

  ◆発表者  安西晋二 ◆発表題目   澁澤龍彥が語る怪異、および「護法」における身体と空間 ◆発表要旨  澁澤龍彥は、作家活動を通じて、幽霊や妖怪、怪物などのさまざまな怪異譚を語ってきたともいえる。これらは、いかなる文脈を形成していただろうか。  澁澤の作家活動のなかで、『思考の紋章学』(河出書房新社、1977.5)は高く評価されてきた。その根底には、鮮やかに表現された「オブジェ志向」や、語る「私」の「変貌」に見られる、後年の小説群に至る萌芽が指摘できるだろう。澁澤自身の発言、および巖谷國士や浅羽通明らの批評によってそれは確認できる。時期的な面においても、評論・エッセー主体の活動から小説中心へと移りゆく中間的な地点にある『思考の紋章学』には、幽霊や妖怪などの怪異について扱っているエッセーが多い。そこで『思考の紋章学』をひとつの始点としながら、その前後にわたり、澁澤による怪異をめぐる文脈を整理してみたい。  また、「護法」(「海燕」1985.5)は、怪異と身体・空間(とりわけ鎌倉という場所)が相互に関連し合うテクストとなっている。澁澤による怪異文脈の再検討の帰結として、「護法」の位置付けを試みる予定である。 ◆発表日時   2024年8月24日(土)、14:00~ ※ご参加をご希望の方は、8月22日(木)までに、 Googleフォーム よりお申し込みください。確認次第ご連絡いたしますので、フォーム記入翌日の23時までに返信がなかった場合、大変お手数をおかけいたしますが再度ご連絡ください。

【第二六回】「幻想文学としての「体験」:澁澤龍彥『玩物草紙』とその周辺」(跡上史郎)

◆発表者  跡上史郎 ◆発表題目  幻想文学としての「体験」:『玩物草紙』とその周辺 ◆発表要旨  澁澤龍彥は先行するテクストのコラージュによって自らのテクスト を織りなす書き手と目されている。一方『玩物草紙』(朝日新聞社 、1979・2)は、それまでほとんど自分の「体験」を語ってこ なかった澁澤龍彥が、幼年期を中心に「体験」を語り始めものであ る。振り返ってみるにデビュー作「撲滅の賦」(1955) も自らの恋愛「体験」をベースとしたものであり、「東京感傷生活 ふたたび焼跡の思想を」(1964)のような単行本未収録作で「 体験」を大いに語っているケースもあり、遺作『高丘親王航海記』 にも幼児期の「体験」が組み込まれている。しかし、『玩物草紙』 中の「体験」の一部は、幼い頃の「体験」である以上にそれにまつ わる記憶の錯誤と言うべきものであり、これは「体験」 そのものの意味の再考を促すものとも言える。澁澤龍彥にとって「 体験」とは何か、その意味づけの変遷はどのようなものか、それは 先行テクストのコラージュとどのように関わっているのか、なるべ く多くの事例を参照し考察することを目指す。 ◆発表日時  2024年7月27日(土)、14:00~ ※ご参加をご希望の方は、7月25日(木)までに、 Googleフォーム よりお申し込みください。確認次第ご連絡いたしますので、翌日の22時までに返信がなかった場合、大変お手数をおかけいたしますが再度ご連絡ください。