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【第一二回】大野ロベルト・相原朋枝編『Butoh入門:肉体を翻訳する』読書会

  6月25日(土曜日)14時00分より 、大野ロベルトさんを中心として、大野ロベルト・相原朋枝編『Butoh入門:肉体を翻訳する』〔文学通信、2021年12月〕所収の、大野ロベルト「第1章:綱渡りする死体――日本語の身体性」および同「第2章:肉体と観念の三重奏――土方巽・澁澤龍彥・三島由紀夫」をテキストとした読書会を実施いたします。  ご論考に関する解説や、質疑応答などの機会がございますので、ぜひご参加ください。ご参加をご希望の場合、 6月23日23時59分まで に本ホームページよりお問い合わせください。追ってZOOMのURLとパスワードをお送りいたします。

【第一一回】澁澤龍彥の蔵書目録と研究の可能性(跡上史郎)

◆発表者  跡上史郎 ◆発表題目  澁澤龍彥の蔵書目録と研究の可能性 ◆発表要旨  澁澤龍彥を研究するための環境を飛躍的に向上させたのは、国書刊行会編集部『書物の宇宙誌 澁澤龍彥蔵書目録』(国書刊行会、2006)の刊行である。夏目漱石文庫(東北大学附属図書館蔵)や芥川龍之介文庫(日本近代文学館蔵)等と異なり、澁澤没後よりずっとその蔵書は個人蔵であり、一商業出版社である国書刊行会がその目録を作成・販売し、2006年の刊行から2022年の現在も新刊で購入可能であるという事態は特筆すべきものと言えよう。澁澤が引用の作家であるということは、澁澤の読者の共通理解であるが、澁澤没後も新刊書帯の惹句には、「マッコルランを出す勇気と機略のある編集者がいたら、私はそのひとに敬意を表するだろう。──澁澤龍彥」(ピエール・マッコルラン『黄色い笑い/悪意』中村佳子/永田千奈訳、国書刊行会、2021)等、数々の記載例があり、澁澤の著作の種本に使われたことが当該書の評価を高め、宣伝材料となる事態は現在も続いている。そして、2020年代には、2027年に澁澤没後40年、さらに2028年には生誕100年を迎えようとしている中、これまでの商業出版を主とする蓄積に対して、学術研究サイドからの真摯な応答が期待されていると言えよう。 ◆発表日時   2022年4月23日(土)、14:00~

【第一〇回】澁澤龍彥の変身譜:『変身のロマン』の編纂者から変身物語の書き手へ

◆発表者  劉佳寧 ◆発表題目  澁澤龍彥の変身譜  ――『変身のロマン』の編纂者から変身物語の書き手へ―― ◆発表要旨  澁澤龍彥編纂の幻想文学アンソロジー『変身のロマン』(立風書房、1972年)はその前年に刊行された『暗黒のメルヘン』(立風書房、1971年)の続篇であり、変身(メタモルフォーシス)の主題をめぐる古今東西の作品を収録した一巻である。自作小説「マドンナの真珠」を『暗黒のメルヘン』に採録したように、『変身のロマン』ではエッセイ「メタモルフォーシス考」(『ユリイカ』1969年9月号所収)の再録が巻頭を飾っている。  「メタモルフォーシス考」では、変身した主体が移行する世界(動物・植物・鉱物の三界)に注目するという変身物語の読み方を提示しているが、『変身のロマン』には厳密には変身の物語ではない花妖の物語(蒲松齢『牡丹と耐冬』)や、恋する悪魔の変幻自在の超能力を描く作品(カゾット『悪魔の戀』)も収載された。  さらに、「編集後記」において、澁澤は次のような興味深いことを述べている――「結論にならない蛇足をつけ加えるならば、メタモルフォーシスということ自体、一つの比喩にほかならないのである。私の性来の変身譚好みも、もしかしたら、そんなところに原因を求めることができるのかもしれない」。澁澤はどのように小説の中の「変身」を理解し、それを一冊の選集にまとめたのか。また、『変身のロマン』を編纂した澁澤自身が変身物語の書き手である事実も看過できない。  本発表では『変身のロマン』の編集ポリシーを明らかにした上で、変身というテーマを扱う澁澤の小説群を系譜化したい。 ◆発表日時  2022年3月26日(土)、14:00~

【第九回】大泉黒石の70~80年代受容:由良君美による紹介を端緒として(山本歩)

  ◆発表者   山本歩 ◆発表題目   大泉黒石の70~80年代受容  ――由良君美による紹介を端緒として―― ◆発表要旨  大泉黒石は戦後、ほとんど忘れ去られた作家であったが、1970年代になって志村有弘、そして由良君美の手によって再発見された。令和現在の黒石受容(というものがあるとすれば)も、概ね70~80年代のそれを継承している。  そして、緑書房『大泉黒石全集』全9巻(1988年)の刊行は、由良(1990年没)の最晩年の仕事のひとつでもあった。  黒石文芸が今日も読まれる機会を保っているのは由良の功績であるが、別の観方をすれば、黒石の存在は英文学者・由良の業績に奇妙に食い込んでいる。  由良の人脈により、1972年に桃源社から『黒石怪奇物語集』『人間廃業』が復刊され、また『ユリイカ』や『幻想文学』にも黒石が紹介された。  他方、それはどうしても、当時の〈異端文学〉〈幻想文学〉〈怪奇文学〉というカテゴリーに絡め取られるものでもあった。  由良が主張したレトリックの問題、「混血」の「デラシネ」的悲哀は、いささか希釈され、黒石は怪奇小説として「大正デカダンス」の範疇に収まったようだ。本発表では黒石の没後評価を考える上で無視できない「由良君美にとっての黒石」及び「70~80年代の怪奇幻想文学への注目」を取り上げ、その連絡や齟齬を理解したい。 ◆発表日時  2022年2月27日(日)、14:00~

【第八回】澁澤龍彥と唐十郎:「犬狼都市(キュノポリス)」と「唐版:犬狼都市」の比較を中心に(杉浦楓太)

◆発表者   杉浦楓太 ◆発表題目   澁澤龍彥と唐十郎:「犬狼都市(キュノポリス)」と「唐版:犬狼都市」の比較を中心に ◆発表要旨  唐十郎「唐版:犬狼都市」(北宋社、一九七九・五)は、澁澤龍彥の小説「犬狼都市(キュノポリス)」(『聲』一九六〇・四、以下「犬狼都市」と略記)の題を借用した戯曲である。唐による「唐版:風の又三郎」や「唐版:滝の白糸」も例外ではないが、「唐版:犬狼都市」の題は相反する意味を内包している。〈唐版〉は独創性を示しつつ、〈版〉によって模倣性を示しているのだ。本発表では「唐版:犬狼都市」において「犬狼都市」がどのようにパロディされているかを踏まえたテクスト分析を行なう。その過程で「唐版:犬狼都市」に取り込まれているオリジナル/コピーをめぐる問題系、すなわち赤瀬川原平の模型千円札裁判や、マルセル・デュシャン「泉」との関連性に触れることになろう。 ◆発表日時  2022年1月29日(土)、14:00~

【第七回】表象の彼方へ :澁澤龍彥「画美人」の遠近法(跡上史郎)

◆発表者   跡上史郎 ◆発表題目  表象の彼方へ  ──澁澤龍彥「画美人」の遠近法── ◆発表要旨  大きな建造物が直線で構成されているように見せるためには、微妙な曲線をもってせねばならない。ある図像は斜めから見なければ正しくは見えず、またある図像は曲面鏡に反射させねば意味のある像を結ばない。真実を伝えるためには仮面を被らねばならず、嘘でもって唇を歪ませねばならない。私たちの認知機構そのものに系統的エラーが埋め込まれているのであれば、認識の逸脱が錯覚を生むのではなく、錯覚こそが私たちの認識の基底をなしているのだ。晩年の澁澤龍彥が依拠していた遠近法概念とは何か。コラージュから出発した澁澤龍彥がたどり着いたのは、どのような断片の組み合わせ術だったのか。現実と絵画が交錯する「画美人」(『文藝』1983・5) を例に考える。 ◆発表日時  2021年12月25日(土)、14:00~

【第六回】少女達は機械仕掛けの夢を見るか:澁澤龍彥「ねむり姫」論(浜地百恵)

◆発表者   浜地百恵 ◆発表題目  少女達は機械仕掛けの夢を見るか  ─澁澤龍彥「ねむり姫」論 ◆発表要旨  澁澤龍彥の短篇集『ねむり姫』より、表題作「ねむり姫」を扱います。  浅羽通明がねむり姫評の中で「この作品はやたら、女子高生に人気が高い」と指摘するように、本テクストは「澁澤乙女」と言われるいわゆるゴシックロリータ愛好家の少女達に特に愛読されており、澁澤エッセンスの濃縮された作品であると考えます。本稿でも「少女」を読者層と想定した時にどのような受容をなされるのかということを、舞台となる伊予と京都、そしてそれを接続する土地、紀伊の伝承について「珠名姫」を形成する言説を引用しつつ、「人形」という澁澤を語る上で外せない視点を従来の「独身者の機械」系譜のテクストとは別の方向へ読み替えたいと考えております。 ◆発表日時  2021年11月6日(土)、14:00~

【第五回】雑誌『幻想文学』における澁澤龍彥:「晩年」のシブサワ・イメージと「死後の生」(茂木謙之介)

◆発表者  茂木謙之介 ◆発表題目  雑誌『幻想文学』における澁澤龍彥  ―「晩年」のシブサワ・イメージと「死後の生」― ◆発表要旨  澁澤龍彥の「晩年」と「死後の生」の初期的な状況を考えるに際して、雑誌『幻想文学』は重要なメディアの一つといえる。1982年に創刊された同誌では、創刊号巻頭に澁澤へのインタビューを掲載したほか、同誌による文学賞である幻想文学新人賞では中井英夫とともに澁澤が審査員を務め、1987年の澁澤の死後は特集や小冊子の発行のほか別冊が2冊組まれたほか、1990年には論集『澁澤龍彥回想と批評』が同誌の版元である幻想文学出版会から刊行された。生前から同誌の「精神的支柱」と仰がれた澁澤は、死後においても編集サイドから「澁澤イズムの継承」という宣言を受けるなど、その影響を残存させ続け、同時にそれは『幻想文学』というメディアで一種のアイコンとして繰り返し語られることによって澁澤イメージが再生産されていく初期的な過程ともなったといえるだろう。 ◆発表日時  2021年10月16日(土)、14:00~

【第四回】澁澤龍彥と「ニヒリズムの病理学」:『高丘親王航海記』論(後藤大介)

◆発表者  後藤大介 ◆発表題目  澁澤龍彥と「ニヒリズムの病理学」──『高丘親王航海記』論 ◆発表要旨  1970年の三島事件の後、澁澤龍彥は、その追悼文に「ニヒリズムの病理学の研究」を喫緊の課題としてあげていた。「絶対者」を求めて果てた三島との距離のなかで書かれたこの言明は、何らかの超越性を用意することなく、同時にニヒリズムに陥るのでもない在り方を模索する澁澤の問題意識の現れとして解することができるように思われる。本発表では、西尾幹二による三島評や後期澁澤における石川淳の影響などを踏まえながら、その帰趨を、晩年の『高丘親王航海記』の読解を通して跡づけていきたい。 ◆発表日時  2021年9月25日(土)、14:00~

【第三回】新旧学制の狭間で:澁澤龍彥とアカデミズム(倉方健作)

◆発表者  倉方健作 ◆発表題目  新旧学制の狭間で:澁澤龍彥とアカデミズム ◆発表要旨  本発表は澁澤龍彥(1928-1987)の経歴を当時の学制から照射し、彼が意識的・無意識的に所属していたグループの文化的・思想的な風土、またその内部における澁澤自身の立ち位置や独自の傾向をより明確にすることを試みる。発表にあたっては澁澤の「自作年譜」(『澁澤龍彥全集 第12巻』)、巌谷國士による年譜(『澁澤龍彥全集 別巻2』)、礒崎純一『龍彥親王航海記 澁澤龍彥伝』(白水社、2019年)を参照し、可能であればその補足と微修正を提案したい。 ◆発表日時  2021年7月17日(土)、14:00~